東京学芸大学教育講演会 「小学校学習ガイドラインを作成して見えてきたこと ~学習指導要領にどう向き合うか~」でパネリスト!!
「学会のシンポジウムに登壇してくれませんか」、と東京学芸大学の大森直樹先生からお声がかかり、標準時数(文科省が定める年間の授業コマ数)について、3月議会での一般質問とその答弁や、保護者としてこれまで感じてきたことなどを、学生や教員を前にお話ししました。登壇者の方々の温かい雰囲気のおかげか、緊張も一気にほぐれ、あっという間に時間が過ぎました。
この機会をいただいた発端は、昨年5月に大森先生を講師に迎えた学習会を友人と開催したことです。そこで「時数」こそが子どもと教員にとって学校がしんどい場になっている大きな要因の一つであるとわかり、議会での質問のテーマに選びました。
オリジナルの小学校学習指導要領!
今回のメインは、北海道で37年間、独自のカリキュラムで公立小学校教員をしていた
平山裕人さんが、お一人で完成させた「小学校学習ガイドライン」の発表です。人類の誕生以来、獲得してきた文化を基層に、国語や算数などが組み立てられていて、聞いているだけでもわくわくします。例えば漢字は、象形文字から始めて部首別に学ぶ、等々。教科書やドリル一辺倒ではなく、「面白い」、「わかった」、「こんなこともあるのか」、そういうことこそが授業の醍醐味だと平山さんは言います。
学校は子どもたちが共にくらし、共に学ぶ場である
もう1人のパネリストは、鎌倉市の小学校教員水野佐知子さん。教科担任制によって担任の裁量が減り、子どもたちの様子に合わせたカリキュラムが組みにくくなっていることへの懸念、評価方法の弊害、授業コマ数や授業内容の過多と不登校の増加との関係性、鎌倉市の「不登校特例校」のカリキュラムの話もありました。すべての子どもたちが安心して生活できる学校にするためには、標準時数を減らし、内容の見直しをすべきであると主張しています。
学力重視、分離教育を見直して、わたしたちの未来をつくりたい
保護者は、自分の子どもを通じて「今の学校」を経験します。個々に感じるところはあっても、そういうものと捉えて時が過ぎ、公教育そのものを変えよう、とまで考える人は少ないかもしれません。様々な子どもたちがお互いにぶつかり合いながら、共に生きる学校を作ることは、国の在り方を考えることそのものではないでしょうか。